懇意
「いつも懇意にしてくださって…」
母親はそう言っているが顔が笑っていない。どうやらいつもここで遊んでいるのをあまり快く思っていないんだと思う。確かに年は離れているし、客観的に見たら危ないようにも見えるだろう。なんてったって相手はまだ幼い女の子だ。まあ、危惧するのは無理もない。だけど決してそういう犯罪めいた意図はない。私はよこしまな気持ちなんて持っていない。いつも相手を喜ばせようと振舞っている。だから、また明日もここに来ると思う。
今日のお別れの挨拶を言おう。
「おじさん、さようなら。また明日」
おじさんは手を振って応えてくれる。
[名・形動]
1 親しく交際していること。仲よくつきあうこと。また、そのさま。「一〇年来―にしている」「―な間柄の人」
2 親切な心。「御―の段忝存まする」〈伎・幼稚子敵討〉