Cheese

チーズを一日眺めていると日が暮れる。

書くことがないのに書こうとするというのは随分と気が進まないものだ。ただ、書いておくと意外と良いというのはしっかりと心に留めている。それでも書くものはないのである。はてなブログで日常を淡々と綴っている日記をいくつか読んでいると毎日長い文章を書いている人も居て、毎日そんなに思うことが出来る出来事があるんだなあと羨ましくなる。俺は常に何もない日常だ。

そういえば先日飲みに行った席で、俺がどういった属性なのかと質問をされた。属性というのはまあ Attribute のことだ。その場ではなんの考えもなしに変なものが好きだと答えたけれど、変と感じるかどうかは個人の裁量に任される。俺が変と思っても相手は変と思わないかもしれないし、逆も然り。当然、そのあとの流れは変なものとは?と返される。軽率な回答をしてしまったなあと後悔しつつも、俺が考える変なものについて、ふわふわした回答をさらに重ねた。相手の方が気を使って最適なまとめをしてくださったおかげでその場は混乱することなく収束に向かったけれど、たぶん相手にとっては不完全な会話だっただろうと思う。

これまた先日の話だ。避けようのない事情に直面して、フォトスタジオで妻と写真撮影した。南青山にあるやつ。二人とも写真がとても苦手で、笑顔も作れずポーズも作れずで仕上がりとしては満足だった。まあそれは良いんだけど、写真撮影する前にヘアメイクをしてもらう(妻はメイクも)。いつものように「金髪なんですね〜」みたいな会話から入られる。大概、これは経験のある質問だッ!と適当に答えを提示して、そつなく時間は過ぎ去る。ただ今回はヘアメイクさんに「この髪色のテーマはなんですか?」と聞かれた。テーマとは。テーマなんてあったっけ?ないなあ。そもそも俺の部位にテーマの宿る箇所なんてあったか?どうにも回答が思いつかず、いやテーマは無いですと答えたら案の定会話は終わってしまった。別にヘアメイクさんと会話をしたいわけなどないが、なんか嗚呼となって、そのあとテーマについての質問が頭にこびりついていた。

属性とかテーマとか、人は難しいことを考えるものだ。あとから時間を持って考えてはいたが、俺にそういう類のものは持ち合わせていないと思う。何かに興味は持つことは少ないし、好奇心も浅い。めんどくさがりで出来れば何もしたくない。無駄に過ごしたい。文化的な趣味はない。本は人並みに読むけど、人に勧められるようなものは読んでいない。余生を健康に、とも思わない。出来るなら早く死にたい(精神的にやばい状態ではなく人生が好きじゃない)。
テーマ。俺にテーマはない。ヘアメイクさんに答えたことは間違っちゃあいない。俺はないが、あのヘアメイクさんは何かしらのテーマを持っているのだろうか?ヘアメイクさんだけじゃないな。皆さんはテーマを持っているのかね。ああーもしかしたら色んな人にテーマを尋ねると、俺のいま見えていないテーマが何か見えてくるかもしれない。ヘアメイクさんは自分のテーマを探していたのかな。うむ、他人のテーマは確かに気になるな。今度誰かに聞いてみよう。